矯正治療は若いうちがベストではない|最適な時期と方法
矯正治療の「若いうちがベスト」という常識は本当?
「矯正治療は若いうちに始めるべき」という言葉を耳にしたことはありませんか?
確かに子どもの頃は顎の成長を利用できるため、矯正治療に適した時期と言われてきました。しかし実は、矯正治療に「遅すぎる」ということはないのです。歯の健康状態が良好であれば、年齢に関わらず矯正治療を始めることができます。
近年では30代、40代はもちろん、50代、60代から矯正治療を始める方も増えています。歯並びの改善は見た目だけでなく、お口の健康維持にも大きく貢献するからです。
この記事では、矯正治療の最適な時期と年齢による特徴、そして各年代に合った矯正方法について詳しくご説明します。「もう年だから」と諦めていた方も、ぜひ最後までお読みください。

年齢別に見る矯正治療の特徴とメリット
矯正治療は年齢によって特徴やメリットが異なります。それぞれの年代に合わせた治療アプローチを理解しておくことが大切です。
年齢別の矯正治療の特徴を見ていきましょう。厚生労働省の患者調査によると、矯正治療を受ける患者の年齢層は10代が最も多く約39.3%、次いで5〜9歳が約20.2%、20代が約18.6%となっています。しかし、30代以上の方も全体の約19.1%を占めており、決して少なくありません。
子ども(7〜12歳頃)の矯正治療
子どもの矯正治療は「第一期治療」とも呼ばれ、顎の成長を利用した治療が可能です。この時期は乳歯から永久歯への生え変わりが始まる重要な時期です。
小児矯正の主な目的は、将来の歯並びに備えて顎の発育を誘導し、永久歯が並ぶためのスペースを確保することにあります。
日本人は欧米人に比べて顎が小さいため、歯が生えるスペースが確保できず、歯並びが乱れることが多いと言われています。小児矯正では、この問題に早期に対処することができます。
ただし、この時期だけで治療を完了できるケースは限られています。多くの場合、永久歯が生えそろった後に「第二期治療」が必要になります。
思春期(11〜20歳頃)の矯正治療
永久歯が生えそろうこの時期は、理想的な歯並びを目指す矯正治療の開始に適しています。成人と比べて歯の動きが早いため、短期間で効果的な治療が可能です。
また、まだ顎の成長が続いている場合が多いので、骨格的なズレを治すことも可能です。
この年代の特徴として、虫歯や歯肉炎に注意が必要です。装置の装着により歯磨きが難しくなるため、より丁寧な口腔ケアが求められます。
成人(18〜55歳頃)の矯正治療
「もう大人だから矯正は無理」と思っていませんか?
実は、歯は年齢に関わらず動きます。成人の矯正治療は、美しさと健康の両方を向上させる効果があります。
成人の場合は、仕事や社会生活との兼ね合いを考慮した治療計画が立てられます。目立ちにくい矯正装置や、取り外し可能なマウスピース型矯正装置など、ライフスタイルに合わせた選択肢が豊富です。
ただし、成人は子どもに比べて歯の動きが遅いため、治療期間が長くなる傾向があります。また、歯周病のリスクも高まるため、定期的なメンテナンスが重要です。
シニア(50〜70歳以上)の矯正治療
年齢を重ねるほど歯を失うリスクは高まります。しかし、矯正治療によって歯並びを整えることで、残っている歯の寿命を延ばすことができます。
シニア世代の矯正治療は、特に健康面での効果が注目されています。正しい噛み合わせを獲得することで、消化機能の改善や全身の健康維持につながります。
また、口元の若々しさを取り戻すアンチエイジング効果も期待できるため、見た目の改善を目的に矯正治療を始める方も増えています。
矯正治療を始める最適なタイミングとは
矯正治療を始める最適なタイミングは、実はその人の状況や目的によって異なります。年齢だけでなく、歯や歯茎の健康状態、生活環境なども考慮する必要があります。
「矯正をしたい」と思ったときが、始めるタイミングとも言えるでしょう。
子どもの場合、一般的には7〜8歳頃に一度矯正歯科を受診することをおすすめします。この時期に顎の成長状態や歯の生え変わりの状況を確認することで、将来的な問題を予測し、適切な時期に治療を始めることができます。
成人の場合はどうでしょうか?
実は、健康な歯と歯茎があれば、何歳からでも矯正治療を始めることができます。30代、40代はもちろん、50代、60代、70代から始める方もいらっしゃいます。
子どもの矯正治療のタイミング
子どもの矯正治療は、大きく分けて「第一期治療」と「第二期治療」があります。
第一期治療は7〜12歳頃に行われ、顎の成長を誘導する治療です。この時期は乳歯から永久歯への生え変わりが始まる時期であり、将来の歯並びに大きく影響します。
第二期治療は永久歯が生えそろう11〜13歳頃から始まり、最終的な歯並びを完成させる治療です。
ただし、すべての子どもが第一期治療を必要とするわけではありません。症状によっては、永久歯が生えそろってから治療を始めるケースもあります。
成人の矯正治療のタイミング
成人の場合、「矯正治療をしたい」と思ったときが始めるタイミングです。
ただし、年齢が上がるにつれて様々な歯のトラブルが起こりやすくなるため、なるべく早い段階で始めることをおすすめします。
特に30代、40代は社会的にも安定し、自分自身への投資ができる時期です。この時期に矯正治療を始めることで、将来的な歯の健康維持にもつながります。

年齢別の矯正治療の特徴と注意点
矯正治療は年齢によって特徴や注意点が異なります。それぞれの年代に合わせた治療アプローチを理解しておくことが、成功への鍵となります。
子どもの矯正治療の特徴と注意点
子どもの矯正治療の最大の特徴は、顎の成長を利用できることです。これにより、将来的な歯並びの問題を予防することができます。
ただし、子どもの場合は治療への理解や協力が難しいこともあります。保護者のサポートが非常に重要となります。
また、虫歯予防も重要です。矯正装置を装着することで歯磨きが難しくなるため、より丁寧な口腔ケアが必要となります。
子どもの矯正治療は、単に見た目を改善するだけでなく、将来的な口腔健康の基盤を作る重要な役割を担っています。
成人の矯正治療の特徴と注意点
成人の矯正治療は、子どもと比べて歯の動きが遅いという特徴があります。そのため、治療期間が長くなる傾向があります。
また、年齢とともに歯周病のリスクが高まるため、矯正治療中は特に歯周病予防に注力する必要があります。定期的な歯科検診とプロフェッショナルケアが欠かせません。
成人の場合、社会生活への影響も考慮する必要があります。目立ちにくい矯正装置や取り外し可能なマウスピース型矯正装置など、ライフスタイルに合わせた選択肢が豊富です。
シニアの矯正治療の特徴と注意点
シニア世代の矯正治療では、歯の健康状態がより重要になります。歯周病が進行している場合は、まず歯周病治療を行ってから矯正治療を始めることが一般的です。
また、骨密度の低下により歯の動きが遅くなることがあるため、治療期間が長くなる可能性があります。
シニア世代の矯正治療は、見た目の改善だけでなく、残っている歯の寿命を延ばし、快適な食生活を維持するという重要な役割を担っています。
各年代に適した矯正方法の選び方
矯正治療には様々な方法があり、年齢や症状、ライフスタイルによって最適な選択肢が異なります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
子どもに適した矯正方法
子どもの矯正治療では、取り外し式の装置や固定式の装置が用いられることが多いです。
取り外し式の装置は、顎の成長を誘導するために使用されます。就寝時のみ装着するタイプもあり、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。
固定式の装置は、より複雑な歯の移動が必要な場合に用いられます。子どもの場合、歯の動きが早いため、比較的短期間で効果を得ることができます。
成人に適した矯正方法
成人の矯正治療では、審美性と機能性のバランスが重要です。目立ちにくい装置や取り外し可能な装置など、ライフスタイルに合わせた選択肢が豊富です。
代表的な矯正方法には以下のようなものがあります:
- ワイヤー矯正(表側):従来の金属製ブラケットやワイヤーを使用する方法
- セラミック矯正:歯の色に近い素材を使用し、目立ちにくい矯正方法
- 舌側矯正:歯の裏側に装置を装着するため、外からほとんど見えない矯正方法
- マウスピース矯正:透明なマウスピースを使用し、取り外し可能な矯正方法
特に社会人の方には、見た目への配慮から、セラミック矯正、舌側矯正、マウスピース矯正などが人気です。
シニアに適した矯正方法
シニア世代の矯正治療では、歯の健康状態に配慮した方法が選ばれます。歯周病のリスクが高いため、清掃性の高い装置が適しています。
また、部分的な矯正治療を行うケースも多く、全体の歯並びを整えるのではなく、特に問題のある部分に焦点を当てた治療が行われることもあります。
シニア世代でも、マウスピース矯正は取り外しが可能で清掃しやすいため、人気の選択肢となっています。

矯正治療の年齢による効果の違い
矯正治療の効果は年齢によって異なる側面があります。それぞれの年代での効果の特徴を理解することで、より現実的な期待を持って治療に臨むことができます。
子どもの矯正治療の効果
子どもの矯正治療の最大の効果は、顎の成長をコントロールできることです。これにより、将来的な歯並びの問題を予防し、より自然な歯並びを実現できる可能性が高まります。
また、早期に治療を行うことで、歯の抜歯を回避できるケースもあります。顎のスペースを確保することで、永久歯が正しい位置に生えるよう誘導することができます。
さらに、子どもの頃から正しい歯並びを獲得することで、発音や咀嚼機能の正常な発達を促すことができます。
成人の矯正治療の効果
成人の矯正治療では、審美的な改善が大きな効果として挙げられます。歯並びが整うことで、笑顔に自信が持てるようになり、QOL(生活の質)の向上につながります。
また、歯並びが整うことで歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが低減します。これは長期的な歯の健康維持に大きく貢献します。
さらに、噛み合わせが改善されることで、顎関節症の症状が緩和されるケースもあります。頭痛や肩こりなどの不定愁訴の改善にもつながることがあります。
シニアの矯正治療の効果
シニア世代の矯正治療では、残存歯の寿命を延ばす効果が期待できます。歯並びが整うことで、力が均等に分散され、特定の歯に負担がかかることを防ぎます。
また、口腔衛生状態の改善により、歯周病の進行を抑制する効果もあります。これは、歯の喪失を防ぐ重要な要素です。
さらに、口元の若々しさを取り戻すアンチエイジング効果も期待できます。歯並びが整うことで、口元の印象が大きく変わり、見た目の若返りにつながります。
矯正治療を検討する際の重要ポイント
矯正治療を検討する際には、いくつかの重要なポイントを押さえておくことが大切です。年齢に関わらず、以下のポイントを参考にしてください。
歯科医院選びのポイント
矯正治療の成功には、信頼できる歯科医院選びが欠かせません。以下のポイントを参考にしてください:
- 矯正歯科の専門知識と経験を持つ医師がいるか
- カウンセリングが丁寧で、疑問や不安に対して分かりやすく説明してくれるか
- 治療計画や費用について透明性があるか
- アフターケアの体制が整っているか
- 通院のしやすさや診療時間が自分のライフスタイルに合っているか
特に重要なのは、自分の状態や希望をしっかりと理解し、それに合った治療計画を提案してくれる医院を選ぶことです。
治療期間と費用の目安
矯正治療の期間と費用は、症状の程度や選択する矯正方法によって大きく異なります。一般的な目安は以下の通りです:
- 治療期間:1年〜3年程度(症状により異なる)
- 費用:30万円〜100万円程度(矯正方法や症状により異なる)
成人やシニアの場合、子どもに比べて歯の動きが遅いため、治療期間が長くなる傾向があります。また、目立ちにくい矯正装置を選択する場合は、費用が高くなることが一般的です。
治療費用については、医療費控除の対象となる場合もあります。また、分割払いに対応している医院も多いので、事前に確認しておくとよいでしょう。
治療中の生活への影響
矯正治療中は、日常生活にいくつかの変化や制限が生じます。事前に理解しておくことで、スムーズに治療を進めることができます。
- 食事制限:固い食べ物や粘着性の高い食べ物は避ける必要がある場合がある
- 口腔ケア:より丁寧な歯磨きが必要になる
- 定期的な通院:調整のために1〜2ヶ月に1回程度の通院が必要
- 装置の不快感:特に装着初期は違和感や軽い痛みを感じることがある
マウスピース矯正を選択した場合は、食事時に取り外すことができるため、食事制限は少なくなります。ただし、1日20時間以上の装着が推奨されるため、自己管理が重要となります。
まとめ:矯正治療に「遅すぎる」ということはない
矯正治療は若いうちがベストというわけではありません。それぞれの年齢に適した治療方法があり、健康な歯と歯茎があれば、何歳からでも始めることができます。
子どもの矯正治療では顎の成長を利用できるメリットがありますが、成人やシニアの矯正治療にも多くのメリットがあります。歯並びの審美的な改善だけでなく、口腔健康の維持・向上や全身の健康への好影響も期待できます。
大切なのは、「矯正治療をしたい」と思ったときに一歩踏み出すことです。まずは信頼できる歯科医院でカウンセリングを受け、自分に合った治療方法を相談してみましょう。
シャングリラデンタル横浜歯科矯正歯科では、患者様一人ひとりに合わせたオーダーメイドの矯正治療をご提案しています。60分の無料カウンセリングも実施していますので、矯正治療をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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理事長 梶原 基弘NORIHIRO KAJIWARA
- 経歴
- 九州歯科大学口腔インプラント科医員 外来診療チーム長
- 九州歯科大学口腔再建リハビリテーション学分野(口腔インプラント学)大学院歯学博士
- 関東医療法人 東京都、神奈川県にて院長に
- 資格・所属学会
- 日本口腔インプラント学会
- JSOI 日本口腔インプラント学会専門医
- 九州歯科大学歯学博士
投稿論文
- Soft tissue biological response to zirconia and metal implant abutments compared with natural tooth: microcirculation monitoring as a novel bioindicator. Kajiwara N, Masaki C, Mukaibo T, Kondo Y, Nakamoto T, Hosokawa R.Implant Dent. 2015 Feb;24(1):37-41.
- Comparison of plaque accumulation and soft-tissue blood flow with the use of full-arch implant-supported fixed prostheses with mucosal surfaces of different materials: a randomized clinical study. Kanao M, Nakamoto T, Kajiwara N, Kondo Y, Masaki C, Hosokawa R.Clin Oral Implants Res. 2013 Oct;24(10):1137-43.
- Two-dimensional real-time blood flow and temperature of soft tissue around maxillary anterior implants. Nakamoto T, Kanao M, Kondo Y, Kajiwara N, Masaki C, Takahashi T, Hosokawa R.Implant Dent. 2012 Dec;21(6):522-7.
