歯がほとんど残っていない人の治療法6選|オールオン4以外の選択肢も徹底比較

歯がほとんど残っていない状態は、食事や会話に大きな影響を与えます。
多くの方が「総入れ歯しか選択肢がない」と思い込んでいるのではないでしょうか。実は複数の治療法が存在します。
本記事では、「オールオン4」をはじめとする6つの治療法を、費用・期間・メリットの観点から徹底比較します。あなたに最適な治療法を見つけるための判断材料として、ぜひ参考にしてください。
歯がほとんど残っていない状態とは
歯がほとんど残っていない状態とは、一般的に上顎または下顎の歯が数本しか残っていない、あるいは全く残っていない状態を指します。
この状態になる主な原因は、重度の歯周病・虫歯・外傷などです。

歯周病が進行すると、歯を支える顎の骨が徐々に吸収されてしまいます。その結果、健康だった歯も次々と失われていくのです。
また、長期間にわたって歯を失ったまま放置すると、顎の骨はさらに痩せていきます。これにより、後の治療選択肢が限られてしまう可能性があるのです。
このような状態では、噛む機能が大幅に低下し、食事の楽しみが失われるだけでなく、栄養摂取にも影響が出ます。発音にも支障をきたし、社会生活にも影響を及ぼすことがあるでしょう。
だからこそ、早期に適切な治療法を選択することが重要なのです。
治療法1:オールオン4(All-on-4)
「オールオン4」は、最小4本のインプラントで片顎全体の歯を支える画期的な治療法です。
ポルトガルのパウロ・マロ博士が開発したこの術式は、世界中で20年以上の実績があります。
オールオン4の特徴
「オールオン4」の最大の特徴は、少ないインプラント本数で全体の歯を回復できる点です。
従来のインプラント治療では、片顎全体を治療する場合、8本から14本ものインプラントが必要でした。しかし、「オールオン4」では最小4本(症例によっては5〜6本)で対応できます。
インプラントを斜めに埋入することで、骨の量が少ない部分を避け、比較的骨が残っている部分を有効活用します。この技術により、骨移植の必要性が大幅に減少するのです。
手術当日に仮歯を装着できるため、見た目の回復も早く、社会生活への影響を最小限に抑えられます。
メリットとデメリット
メリット
- 手術当日に仮歯が入り、すぐに見た目が回復する
- 骨移植が不要なケースが多い
- 従来のインプラント治療より費用を抑えられる
- 固定式なので取り外しの手間がない
- しっかりと噛める機能が回復する
デメリット
- 外科手術が必要
- 残っている歯がある場合は抜歯が必要
- 保険適用外で治療費が高額
- 高度な技術が必要なため、対応できる歯科医院が限られる
- 定期的なメインテナンスが必須
費用と治療期間
「オールオン4」の費用は、片顎あたり200万円から400万円程度が一般的です。
治療期間は3〜6ヶ月程度です。手術当日に仮歯が入りますが、最終的な人工歯の装着までには、インプラントと骨が結合する期間が必要となります。
治療法2:インプラントオーバーデンチャー
「インプラントオーバーデンチャー」は、少数のインプラントで入れ歯を安定させる治療法です。
完全固定式の「オールオン4」とは異なり、取り外し可能な入れ歯を使用します。

インプラントオーバーデンチャーの仕組み
下顎の場合は通常2〜4本、上顎の場合は4〜6本のインプラントを埋入します。
インプラントの上部に特殊なアタッチメント(連結装置)を取り付け、入れ歯側にもそれに対応する装置を組み込みます。この仕組みにより、入れ歯がしっかりと固定されるのです。
取り外し可能なため、清掃がしやすく、衛生管理がしやすいという特徴があります。
適している方
「インプラントオーバーデンチャー」は、以下のような方に適しています。
- 総入れ歯の安定性に不満がある方
- 「オールオン4」ほどの費用をかけられない方
- 取り外しができる入れ歯を希望する方
- 清掃性を重視する方
- 顎の骨の量が少ない方
費用と治療期間
費用は片顎あたり80万円から200万円程度です。使用するインプラントの本数やアタッチメントの種類によって変動します。
治療期間は4〜6ヶ月程度です。インプラントの埋入後、骨との結合を待ってから入れ歯を装着します。
治療法3:通常のインプラント治療
通常のインプラント治療は、失った歯1本に対して1本のインプラントを埋入する方法です。
歯が数本残っている場合や、部分的に歯を失った場合に適しています。
通常のインプラント治療の特徴
各インプラントが独立しているため、1本ずつ天然歯に近い機能を回復できます。
残っている健康な歯を削る必要がなく、周囲の歯に負担をかけません。これは、ブリッジ治療との大きな違いと言えるでしょう。
審美性にも優れており、天然歯とほとんど見分けがつかない仕上がりが期待できます。
メリットとデメリット
メリット
- 天然歯に最も近い機能と見た目を実現できる
- 周囲の健康な歯を削らずに済む
- 長期的な予後が良好
- 1本単位で治療できる
- メインテナンスがしやすい
デメリット
- 多数の歯を失っている場合、費用が高額になる
- 治療期間が長くなる
- 十分な骨の量が必要
- 外科手術が必要
- 保険適用外
費用と治療期間
1本あたり30万円から50万円程度が相場です。多数の歯を失っている場合、総額が高額になる可能性があります。
治療期間は1本あたり3〜6ヶ月程度です。複数本の治療を行う場合、さらに期間が延びることがあるでしょう。
治療法4:ブリッジ治療
ブリッジは、失った歯の両隣の歯を削り、それを土台として人工歯を固定する治療法です。
数本の歯が連続して失われている場合に適用されます。
ブリッジ治療の仕組み
失った歯の両隣の歯を削り、被せ物を装着します。その被せ物に人工歯を連結させることで、欠損部分を補うのです。
固定式のため、入れ歯のように取り外す必要がありません。違和感も少なく、比較的自然な使用感が得られます。
保険適用の素材を選べば、費用を抑えることも可能です。ただし、審美性を重視する場合は、自費診療のセラミック素材を選択することになります。
適応条件と注意点
ブリッジ治療を行うには、両隣の歯が健康で、土台として機能できる状態である必要があります。
しかし、健康な歯を削らなければならないという大きなデメリットがあります。削った歯は元に戻せず、将来的に虫歯や歯周病のリスクが高まる可能性があるのです。
また、多数の歯を失っている場合、ブリッジでは対応できないケースもあります。
費用と治療期間
保険適用の場合、3本ブリッジ(1本欠損)で1万円から2万円程度です。
自費診療でセラミック素材を使用する場合、1本あたり10万円から15万円程度となり、3本ブリッジで30万円から45万円程度になります。
治療期間は2週間から1ヶ月程度です。
治療法5:部分入れ歯
部分入れ歯は、残っている歯にクラスプ(金属のフック)を引っ掛けて固定する取り外し式の装置です。
数本の歯を失った場合に使用されます。
部分入れ歯の特徴
取り外しができるため、清掃がしやすく衛生的です。
保険適用の入れ歯であれば、費用を大幅に抑えることができます。また、短期間で作製できるため、治療期間も短くて済むのです。
ただし、金属のクラスプが目立つため、審美性に劣る場合があります。また、違和感を感じる方も少なくありません。
保険適用と自費診療の違い
保険適用の部分入れ歯は、プラスチック製の床(歯茎に当たる部分)と金属製のクラスプを使用します。費用は5,000円から1万5,000円程度です。
自費診療では、金属床やノンクラスプデンチャー(金属のフックが見えない入れ歯)など、より快適で審美性の高い選択肢があります。費用は10万円から50万円程度です。
メリットとデメリット
メリット
- 費用が比較的安価
- 治療期間が短い
- 取り外して清掃できる
- 外科手術が不要
- 修理や調整が比較的容易
デメリット
- 違和感を感じやすい
- クラスプが目立つ(保険適用の場合)
- 噛む力が弱い
- 残っている歯に負担がかかる
- 定期的な調整が必要
治療法6:総入れ歯
総入れ歯は、上顎または下顎の全ての歯を失った場合に使用する取り外し式の装置です。
歯茎と入れ歯を吸着させることで固定します。

総入れ歯の種類
保険適用の総入れ歯は、プラスチック製の床を使用します。費用は片顎あたり1万円から1万5,000円程度です。
自費診療では、以下のような選択肢があります。
- 金属床入れ歯:床の一部に金属を使用し、薄く違和感が少ない(20万円〜50万円程度)
- シリコン義歯:歯茎に当たる部分にシリコンを使用し、痛みを軽減(30万円〜50万円程度)
- インプラントオーバーデンチャー:前述の治療法2を参照
総入れ歯のメリットとデメリット
メリット
- 費用が最も安価(保険適用の場合)
- 治療期間が短い
- 外科手術が不要
- 取り外して清掃できる
- 修理や調整が比較的容易
デメリット
- 違和感が大きい
- 噛む力が大幅に低下する
- 味覚や温度感覚が鈍くなる
- 発音しにくい場合がある
- 外れやすい、動きやすい
- 顎の骨が徐々に痩せていく
治療期間
総入れ歯の作製には、通常1〜2ヶ月程度かかります。型取りから調整まで、数回の通院が必要です。
6つの治療法を徹底比較
ここまで紹介した6つの治療法を、費用・期間・機能性・審美性の観点から比較します。
費用比較
費用面では、保険適用の総入れ歯が最も安価です。次いで部分入れ歯、ブリッジと続きます。
インプラント関連の治療は高額ですが、長期的な視点で見ると、メインテナンス費用や再治療の必要性を考慮する必要があるでしょう。
- 総入れ歯(保険):1万円〜1万5,000円
- 部分入れ歯(保険):5,000円〜1万5,000円
- ブリッジ(保険):1万円〜2万円(3本ブリッジ)
- インプラントオーバーデンチャー:80万円〜200万円
- オールオン4:200万円〜400万円
- 通常のインプラント:30万円〜50万円(1本あたり)
治療期間比較
治療期間が最も短いのは、入れ歯やブリッジです。インプラント関連の治療は、骨との結合期間が必要なため、数ヶ月を要します。
- 総入れ歯・部分入れ歯:1〜2ヶ月
- ブリッジ:2週間〜1ヶ月
- オールオン4:3〜6ヶ月(手術当日に仮歯装着可能)
- インプラントオーバーデンチャー:4〜6ヶ月
- 通常のインプラント:3〜6ヶ月(1本あたり)
機能性・審美性比較
機能性と審美性の両面で優れた選択肢の一つが、インプラント関連の治療です。特に「オールオン4」と通常のインプラントは、天然歯に近い噛む力を回復できます。
ブリッジも固定式のため、比較的良好な機能性を持ちますが、土台となる歯への負担が懸念されます。
入れ歯は、費用面では優れていますが、機能性や審美性では他の治療法に劣ります。
あなたに最適な治療法の選び方
治療法の選択は、複数の要素を総合的に判断する必要があります。
予算で選ぶ
予算が限られている場合は、保険適用の入れ歯やブリッジが現実的な選択肢です。
ある程度の予算が確保できる場合は、「インプラントオーバーデンチャー」や「オールオン4」を検討する価値があります。長期的な視点で見ると、再治療の必要性が低く、コストパフォーマンスに優れているのです。
治療期間で選ぶ
仕事や社会生活への影響を最小限にしたい場合、「オールオン4」が適しています。手術当日に仮歯が入るため、見た目の回復が早いのが特徴です。
短期間で治療を完了させたい場合は、入れ歯やブリッジが適しています。
機能性・審美性で選ぶ
しっかりと噛める機能を重視する場合は、インプラント関連の治療が最適です。
見た目の美しさを重視する場合も、インプラントやセラミックを使用したブリッジが適しているでしょう。
身体的負担で選ぶ
外科手術を避けたい場合や、全身状態に不安がある場合は、入れ歯やブリッジが適しています。
ただし、インプラント治療も近年は低侵襲化が進んでおり、身体への負担は以前より軽減されています。
シャングリラデンタル横浜歯科矯正歯科での治療
シャングリラデンタル横浜歯科矯正歯科は、横浜・みなとみらいエリアにある自費診療専門の歯科医院です。
2024年春に開院し、包括的審美治療を掲げています。
専門医による高度な治療
理事長の梶原基弘は、日本口腔インプラント学会(JSOI)認定のインプラント専門医です。
九州歯科大学口腔インプラント科で外来診療チーム長を務めた経験を持ち、豊富な臨床実績があります。初診から治療、フォローアップまで、理事長が一貫して対応する体制を整えているのです。
最新設備による精密診断
当院では、以下の最新設備を完備しています。
- マイクロスコープ:拡大視野での精密治療
- 歯科用CT:3D画像による詳細な診断
- 口腔内スキャナ:デジタルデータによる精密な型取り
- 3Dプリンター:治療計画に基づく精密なガイド作製
これらの設備により、患者様の状態を正確に把握し、最適な治療計画を立案します。
複数の治療オプションの提示
当院では、一つの治療法を押し付けるのではなく、複数の選択肢を提示します。
患者様のご要望、予算、ライフスタイルに合わせて、最適な治療法を一緒に選んでいきます。「オールオン4」「インプラントオーバーデンチャー」「通常のインプラント治療」など、幅広い選択肢に対応しています。
プライバシーに配慮した診療環境
完全予約制を採用し、診療は個室または半個室で行います。
カウンセリングも専用スペースで実施するため、他の患者様を気にすることなく、じっくりとご相談いただけます。
分院との連携治療
近隣の分院「OCEAN DENTAL OFFICE MINATOMIRAI」と連携し、患者情報を共有しながら治療を進めることができます。
費用面などの事情で保険診療を含めた継続が必要な場合にも、柔軟に対応します。
まとめ
歯がほとんど残っていない状態でも、複数の治療法から選択できます。
「オールオン4」は、少ないインプラント本数で全体の歯を回復でき、手術当日に仮歯が入る画期的な治療法です。「インプラントオーバーデンチャー」は、取り外し可能で清掃性に優れています。
通常のインプラント治療は、天然歯に最も近い機能を実現できます。ブリッジや入れ歯は、費用を抑えられる選択肢です。
どの治療法にもメリットとデメリットがあります。
重要なのは、あなたの状態、希望、予算に最も適した治療法を選ぶことです。専門医による詳細な診断と、複数の治療オプションの提示を受けることをおすすめします。
シャングリラデンタル横浜歯科矯正歯科では、インプラント専門医が、あなたに最適な治療法をご提案します。まずはお気軽にご相談ください。
お問い合わせ
シャングリラデンタル横浜歯科矯正歯科
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診療時間:10:00~19:00
休診日:不定休(祝日は休診)
アクセス:みなとみらい線「高島駅」徒歩1分
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著者情報
理事長 梶原 基弘NORIHIRO KAJIWARA
- 経歴
- 九州歯科大学口腔インプラント科医員 外来診療チーム長
- 九州歯科大学口腔再建リハビリテーション学分野(口腔インプラント学)大学院歯学博士
- 関東医療法人 東京都、神奈川県にて院長に
- 資格・所属学会
- 日本口腔インプラント学会
- JSOI 日本口腔インプラント学会専門医
- 九州歯科大学歯学博士
投稿論文
- Soft tissue biological response to zirconia and metal implant abutments compared with natural tooth: microcirculation monitoring as a novel bioindicator. Kajiwara N, Masaki C, Mukaibo T, Kondo Y, Nakamoto T, Hosokawa R.Implant Dent. 2015 Feb;24(1):37-41.
- Comparison of plaque accumulation and soft-tissue blood flow with the use of full-arch implant-supported fixed prostheses with mucosal surfaces of different materials: a randomized clinical study. Kanao M, Nakamoto T, Kajiwara N, Kondo Y, Masaki C, Hosokawa R.Clin Oral Implants Res. 2013 Oct;24(10):1137-43.
Two-dimensional real-time blood flow and temperature of soft tissue around maxillary anterior implants. Nakamoto T, Kanao M, Kondo Y, Kajiwara N, Masaki C, Takahashi T, Hosokawa R.Implant Dent. 2012 Dec;21(6):522-7.
