インプラントメーカーの違いを徹底解説|代表的なブランドと選び方

インプラント治療で知っておきたいメーカーの重要性
インプラント治療を検討されている方にとって、「どのメーカーのインプラントを選ぶか」は非常に重要な決断です。
世界には100社以上のインプラントメーカーが存在し、日本国内でも30種類以上のメーカーが流通しています。しかし、すべてのメーカーが同じ品質や信頼性を持っているわけではありません。インプラントは一度埋入すると10年以上使い続けることが前提となるため、メーカー選びは治療の成功率や長期的な安定性に直結します。
私は日本口腔インプラント学会専門医として、これまで数多くの症例に携わってきました。その経験から申し上げると、**信頼できるメーカーのインプラントを選択することが、患者様の将来の安心につながる**と確信しています。
世界シェアトップクラスのインプラントメーカー
世界的に高い評価を受けているインプラントメーカーは、長年の研究開発と豊富な臨床データに裏付けられています。
ストローマン(スイス)
ストローマンは世界シェア1位を誇るインプラントメーカーです。スイスのバーゼルに本社を置き、精密機械産業の技術を活かした高品質な製品を提供しています。
最大の特徴は**SLA表面加工**という独自技術です。これはサンドブラストによってインプラント体の表面をざらざらにし、顎の骨との結合力を高める処理方法です。ストローマンは1997年に世界で初めてこの表面加工を行ったメーカーであり、現在では多くのメーカーがこの技術を採用しています。
スイスのベルン大学の調査によれば、ストローマンのインプラントは10年後の生存率が98%以上という高い数値を記録しています。また、チタンにジルコニウムを配合する独自技術により、インプラント体とアバットメントの強度を高めている点も特徴です。
ノーベルバイオケア(スイス)
ノーベルバイオケアは世界シェア2位のインプラントメーカーで、スイスのチューリッヒに本社を置いています。
1965年に世界で初めて実用的な人へのインプラント手術を行ったブローネマルク教授により設立され、**インプラント業界のパイオニア的存在**として知られています。ネジ形状のインプラント体を開発し、顎の骨へのチタン金属の結合をうながす技術を確立しました。
また、「オールオン4」という片顎につき4~6本のインプラントで人工歯ブリッジを支える補綴システムも開発しており、革新的な治療法を提供し続けています。
オステム(韓国)
オステムはアジアの歯科インプラント市場においてトップクラスのシェアを確立している韓国のメーカーです。
**アジア人の骨格に合わせた設計**が特徴で、パーツの種類が豊富であることも評価されています。固定力が強く、ネジが緩みにくい点も大きなメリットです。アジア圏を中心に日本でも大変普及率の高いインプラントメーカーとなっています。
その他の信頼できるインプラントメーカー
アストラテック(スウェーデン)
アストラテックはスウェーデン発祥で、現在はアメリカのデンツプライシロナ社の傘下にあります。
骨との結合性や審美性に優れており、特に**骨吸収を抑える設計**が施されている点が特徴です。インプラント周囲の歯ぐきや骨の組織を保護する独自のマイクロスレッド(微細なねじ構造)が採用されており、長期的にインプラント周囲炎を起こしにくいと評価されています。
ジンヴィ(アメリカ)
ジンヴィはアメリカを拠点とするインプラントメーカーで、医療機器分野で長年の実績を持っています。
シンプルなデザインと高い汎用性が特徴で、歯ぐきや骨の条件が複雑な症例にも対応できます。表面加工や形状に工夫が施されており、短い形状でも高い定着性を持つ点が評価されています。
インプラントメーカーを選ぶ際の重要なポイント
適切なインプラントメーカーを選ぶためには、いくつかの重要な基準があります。

長期的な安定性と実績
インプラントは10年以上使用することが前提です。そのため、長年の臨床データがあり、高い生存率が実証されているメーカーを選ぶことが重要です。
世界的に有名なブランドは、長年の研究成果に基づく製品開発を行っており、症例数が多いほど技術の信頼性が高まります。スイスのベルン大学の調査では、ストローマンのインプラントは10年後の生存率が98.8%と報告されています。
普及率とメンテナンスのしやすさ
普及率が高いインプラントメーカーを選ぶことは、将来的なメンテナンスの観点から非常に重要です。
引越しや転居の際にも、多くの歯科医院が取り扱っているメーカーであれば、スムーズにメンテナンスを継続できます。マイナーなメーカーのインプラントを選択した場合、対応できる歯科医院が限られてしまう可能性があります。
患者様の骨の状態に合った選択
患者様の骨の状態や口腔内の状況によって、適したインプラントは異なります。
ストローマンはアジア人や女性など、比較的顎の骨が小さい方に対応したインプラントパーツを展開しています。オステムもアジア人の骨格に合わせた設計が特徴です。経験豊富な歯科医師と相談し、自分に合ったインプラントメーカーを選択することをおすすめします。
安価なインプラントには注意が必要
極端に安いインプラント治療には、いくつかのリスクが潜んでいることがあります。
世界4大インプラントメーカーと呼ばれるストローマン、ノーベルバイオケア、アストラテック、ジンヴィは、品質の高い材料を使用しているため、適正価格の範囲内で提供される場合が多いです。
一方で、適正価格よりも極端に安いインプラントは、材料の品質が悪かったり、インプラントメーカーの実績が少ない、医師の経験が少ないといった事情が関係していることもあります。インプラントは患者様の体の中に埋め込む装置なので、メーカーについては歯科医院のホームページに記載がある医院や、歯科医師に確認すると安心です。
まとめ|信頼できるメーカー選びが治療成功の鍵
インプラント治療において、メーカー選びは治療の成功率と長期的な安定性に大きく影響します。
世界シェアトップクラスのストローマン、ノーベルバイオケア、アジアで高いシェアを持つオステム、そしてアストラテックやジンヴィといった信頼できるメーカーは、長年の研究開発と豊富な臨床データに裏付けられています。
**長期的な安定性**、**普及率の高さ**、**患者様の骨の状態に合った選択**という3つのポイントを押さえて、信頼できるメーカーのインプラントを選ぶことが重要です。
当院では、患者様一人ひとりの状態に合わせて最適なインプラントメーカーをご提案しています。インプラント治療に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
詳しい治療内容やカウンセリングについては、シャングリラデンタル横浜歯科矯正歯科の公式サイトをご覧ください。60分の無料カウンセリングも実施しておりますので、お気軽にご相談ください。

著者情報
理事長 梶原 基弘NORIHIRO KAJIWARA
- 経歴
- 九州歯科大学口腔インプラント科医員 外来診療チーム長
- 九州歯科大学口腔再建リハビリテーション学分野(口腔インプラント学)大学院歯学博士
- 関東医療法人 東京都、神奈川県にて院長に
- 資格・所属学会
- 日本口腔インプラント学会
- JSOI 日本口腔インプラント学会専門医
- 九州歯科大学歯学博士
投稿論文
- Soft tissue biological response to zirconia and metal implant abutments compared with natural tooth: microcirculation monitoring as a novel bioindicator. Kajiwara N, Masaki C, Mukaibo T, Kondo Y, Nakamoto T, Hosokawa R.Implant Dent. 2015 Feb;24(1):37-41.
- Comparison of plaque accumulation and soft-tissue blood flow with the use of full-arch implant-supported fixed prostheses with mucosal surfaces of different materials: a randomized clinical study. Kanao M, Nakamoto T, Kajiwara N, Kondo Y, Masaki C, Hosokawa R.Clin Oral Implants Res. 2013 Oct;24(10):1137-43.
Two-dimensional real-time blood flow and temperature of soft tissue around maxillary anterior implants. Nakamoto T, Kanao M, Kondo Y, Kajiwara N, Masaki C, Takahashi T, Hosokawa R.Implant Dent. 2012 Dec;21(6):522-7.
