インプラントとオールオンフォーの違い|選ぶべき治療法とメリット

インプラントとオールオンフォーの基本的な違い
歯を失った際の治療法として、インプラントは広く知られるようになりました。しかし、「オールオンフォー」という言葉はあまり聞き慣れないかもしれません。
オールオンフォーとは、顎の骨に最小4本のインプラントを埋め込み、その上に12本の連結した人工歯を固定する治療法です。従来のインプラントが1本の歯に対して1本のインプラントを埋め込むのに対し、オールオンフォーは少ない本数で多くの歯を支えることができます。
両者の主な違いは、失った歯の本数、あごに埋め込むインプラントの本数、そして固定方法にあります。
従来のインプラント治療は1本の歯の喪失から全ての歯の喪失まで対応可能ですが、オールオンフォーは基本的に全ての歯を失った場合や、残っている歯も抜歯が必要な状態の方に適しています。
インプラントの本数も大きく異なります。通常のインプラントでは、失った歯と同じ本数のインプラントが必要になりますが、オールオンフォーでは片顎あたり最小4本(状況によっては6本)のインプラントで済みます。
オールオンフォーのメリット
オールオンフォーには、従来のインプラント治療と比較して多くのメリットがあります。特に多くの歯を失った方にとって魅力的な選択肢となるでしょう。

最大の特徴は、治療期間の短さです。通常のインプラント治療では、インプラント体を埋め込んだ後、骨と結合するまで数か月待つ必要があります。しかしオールオンフォーでは、手術当日に仮歯を装着できるため、すぐに見た目と機能を回復できます。
身体への負担が軽減されることも大きな利点です。少ない本数のインプラントで済むため、手術時間が短く、体への負担が少なくなります。高齢の方でも受けやすい治療法といえるでしょう。
顎の骨の量が不足している場合でも治療できる点も見逃せません。通常のインプラントでは、骨量が不足していると骨造成という別の手術が必要になることがあります。オールオンフォーは骨量が多い部分を選んでインプラントを埋め込むため、骨造成なしで治療できる可能性が高いのです。
治療費の面でも優位性があります。片顎あたり最小4本のインプラントで済むため、多数の歯を失った場合は従来の方法より費用を抑えられます。
オールオンフォーのデメリット
オールオンフォーにはメリットがある一方で、いくつかの注意点もあります。治療を検討する際には、これらのデメリットもしっかり理解しておくことが大切です。
まず、残っている歯がある場合は抜歯が必要になることがあります。オールオンフォーは基本的に全ての歯を失った方向けの治療法であるため、健康な歯が残っている場合はそれらを抜くことになる可能性があるのです。
メンテナンスが必要な点も重要です。オールオンフォーの治療後は、最低でも年に1〜2回のメンテナンスが必要になります。メンテナンスを怠ると、インプラントが破損したり、周囲炎を起こしたりする可能性があります。
どうですか?ご自身の状況に合った治療法を選ぶことが大切ですね。
また、オールオンフォーを提供できる歯科医院は限られています。この治療法は高度な技術と経験が必要であるため、対応できる医院を探す必要があるでしょう。
どちらの治療法を選ぶべきか
インプラントとオールオンフォー、どちらを選ぶべきかは個々の状況によって異なります。選択の基準となるポイントをいくつか見ていきましょう。
まず、残っている歯の状態が重要です。健康な歯がまだ多く残っている場合は、通常のインプラント治療が適しているでしょう。一方、ほとんどの歯を失っている、または残っている歯も状態が良くない場合は、オールオンフォーが有効な選択肢となります。
骨の状態も判断材料になります。顎の骨量が十分にある場合は両方の選択肢がありますが、骨量が少ない場合はオールオンフォーの方が適している可能性があります。
治療期間についても考慮が必要です。早く歯の機能と見た目を回復したい場合は、手術当日に仮歯を装着できるオールオンフォーが魅力的でしょう。
費用面では、多数の歯を失っている場合、オールオンフォーの方がコストを抑えられる可能性があります。通常のインプラントで全ての歯を補う場合、片顎で12〜14本のインプラントが必要になり、費用が高額になりがちです。
最終的には、歯科医師との十分な相談のうえで決定することが重要です。ご自身の口腔内の状態、希望する結果、予算などを考慮して、最適な治療法を選びましょう。
まとめ
インプラントとオールオンフォーは、歯を失った方のための優れた治療法です。従来のインプラントは1本1本の歯に対応し、幅広いケースに適用できる一方、オールオンフォーは全ての歯を失った方に対して、少ない本数のインプラントで効率的に機能と審美性を回復できる治療法です。
どちらを選ぶかは、残存歯の状態、骨量、治療期間、費用などを総合的に考慮して決める必要があります。歯科医師と十分に相談し、ご自身に最適な治療法を選択することが大切です。
歯の喪失でお悩みの方は、まずは専門医によるカウンセリングを受けることをおすすめします。シャングリラデンタル横浜歯科矯正歯科では、包括的な診断と患者様一人ひとりに合わせた治療プランをご提案しています。詳しくはシャングリラデンタル横浜歯科矯正歯科までお気軽にお問い合わせください。

著者情報
理事長 梶原 基弘NORIHIRO KAJIWARA
- 経歴
- 九州歯科大学口腔インプラント科医員 外来診療チーム長
- 九州歯科大学口腔再建リハビリテーション学分野(口腔インプラント学)大学院歯学博士
- 関東医療法人 東京都、神奈川県にて院長に
- 資格・所属学会
- 日本口腔インプラント学会
- JSOI 日本口腔インプラント学会専門医
- 九州歯科大学歯学博士
投稿論文
- Soft tissue biological response to zirconia and metal implant abutments compared with natural tooth: microcirculation monitoring as a novel bioindicator. Kajiwara N, Masaki C, Mukaibo T, Kondo Y, Nakamoto T, Hosokawa R.Implant Dent. 2015 Feb;24(1):37-41.
- Comparison of plaque accumulation and soft-tissue blood flow with the use of full-arch implant-supported fixed prostheses with mucosal surfaces of different materials: a randomized clinical study. Kanao M, Nakamoto T, Kajiwara N, Kondo Y, Masaki C, Hosokawa R.Clin Oral Implants Res. 2013 Oct;24(10):1137-43.
Two-dimensional real-time blood flow and temperature of soft tissue around maxillary anterior implants. Nakamoto T, Kanao M, Kondo Y, Kajiwara N, Masaki C, Takahashi T, Hosokawa R.Implant Dent. 2012 Dec;21(6):522-7.
