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「インプラント治療を検討しているけど、費用が高くて躊躇している…」
こんな悩みを抱えている方は少なくありません。インプラント治療は確かに高額な治療です。そのため、少しでも安く済ませたいという気持ちは誰しも持つものでしょう。
しかし、インターネットで「格安インプラント」「1本10万円から」といった広告を見かけると、なぜこんなに安いのか疑問に思いませんか?
実は、インプラント治療において「安さ」だけを追求することには、大きなリスクが潜んでいるのです。
私は九州歯科大学口腔インプラント科で外来診療チーム長を務め、現在はシャングリラデンタル横浜歯科矯正歯科の理事長として、数多くのインプラント治療を手がけてきました。
この記事では、インプラント費用の真実と、安さだけで選ぶことの危険性について、専門医の立場から詳しく解説します。
まず知っておきたいのは、異常に安いインプラント治療には必ず「からくり」があるということです。
なぜなら、インプラント治療は高度な技術と設備、そして質の高い材料が必要だからです。それらを適切に提供するためには、ある程度のコストがかかるのは避けられません。
では、激安インプラントはどのようなからくりで安い価格を実現しているのでしょうか?
「インプラント1本10万円」という広告を見かけたことはありませんか?
実はこれ、インプラント本体の価格だけを表示している場合がほとんどなのです。実際には、検査料、手術料、上部構造(被せ物)の費用などが別途必要になります。
最終的な総額は、広告の2〜3倍になることも珍しくありません。
患者さんがクリニックに足を運んでから「実は追加費用がかかります」と告げられる…。こうした手法は、残念ながら業界では「呼び込み」と呼ばれる手法です。
世界には数百社ものインプラントメーカーが存在します。その中には、研究実績が少なく、長期的な安全性や耐久性のデータが乏しい無名メーカーも少なくありません。
激安インプラントの多くは、こうした無名メーカーの安価な製品を使用しているケースが見受けられます。
一般的に、インプラントの価格はその品質と相関関係があります。安価なインプラントは、材料の質や研究開発費、品質管理コストを削減することで低価格を実現しているのです。
インプラントは10年、20年と長く使用するものです。「安かろう悪かろう」では、あなたの健康と将来に大きな影響を及ぼす可能性があります。
インプラント治療は外科手術です。安全で成功率の高い手術を行うためには、CTスキャンなどの精密な診断機器や清潔な手術環境が欠かせません。
しかし、激安クリニックの中には、こうした設備や準備にコストをかけていないケースも見られます。
例えば、事前の精密検査を省略したり、滅菌環境が不十分だったりすると、治療の成功率が下がるだけでなく、感染症などの合併症リスクも高まります。
インプラント治療の成功は、歯科医師の技術と経験に大きく左右されます。
激安クリニックでは、インプラント治療の経験が浅い医師が担当することがあります。経験の浅い医師は技術料を安く設定せざるを得ないのです。
あなたは自分の体に埋め込む人工物の手術を、経験の浅い医師に任せたいですか?
インプラント治療の費用は、一般的に以下の項目で構成されています。
これらを理解することで、なぜインプラント治療が高額なのか、また何にお金をかけるべきなのかが見えてきます。
インプラント治療を安全に行うためには、事前の精密な検査と診断が不可欠です。
CTスキャンによる骨の状態確認、血液検査、口腔内の精密検査などが含まれます。これらの検査費用は2〜5万円程度が相場です。
安全で確実な治療のためには、この段階でしっかりとした検査を行うことが重要です。
インプラント体は、顎の骨に埋め込む人工歯根の部分です。
世界的に信頼されている主要メーカー(ストローマン、ノーベルバイオケア、アストラテック、ジンマーなど)のインプラント体は、1本あたり5〜15万円程度します。
一方、無名メーカーのインプラント体は1〜5万円程度で入手できることもあります。
しかし、品質や長期的な安全性、メーカーのサポート体制などを考えると、この部分でのコスト削減はリスクが高いと言えるでしょう。
インプラント埋入手術の費用は、医師の技術料や手術室の使用料、麻酔費用などが含まれます。
一般的には1本あたり10〜20万円程度が相場です。
骨の状態が悪く、骨造成(骨を増やす手術)が必要な場合は、さらに10〜30万円程度の追加費用がかかることがあります。
インプラントの上に装着する人工の歯(クラウン)の費用です。
材質によって価格が異なり、金属冠で5〜10万円、セラミック冠で10〜20万円、ジルコニア冠で15〜25万円程度が相場となっています。
見た目や耐久性を重視する場合は、セラミックやジルコニアを選ぶことが多いです。
インプラント治療後も定期的なメンテナンスが必要です。
3〜6ヶ月に1回の定期検診と専門的なクリーニングで、1回あたり5,000〜1万円程度かかります。
これはインプラントを長持ちさせるために欠かせない投資です。
インプラント治療で安さだけを追求すると、どのようなリスクがあるのでしょうか?
実際の臨床現場で見てきた事例をもとに説明します。
安価なインプラント治療では、事前の検査が不十分だったり、医師の経験が浅かったりすることで、治療が失敗するリスクが高まります。
インプラントが骨と結合しない「オッセオインテグレーションの失敗」や、神経を傷つけて痺れが残るなどの合併症が起こる可能性が高くなるのです。
治療が失敗した場合、再治療にはさらに多くの費用と時間がかかります。
安いからといって、こうしたリスクを冒す価値はあるでしょうか?
安価なインプラントは、長期的な耐久性に問題が生じることがあります。
品質の低いインプラント体は、数年後に緩みや破損が起こりやすく、インプラント周囲炎(インプラント周囲の感染症)のリスクも高まります。
私の臨床経験では、安価なインプラントで治療を受けた患者さんが、数年後に問題を抱えて来院するケースが少なくありません。
結果的に、再治療のために初めから適切な治療を受けるよりも高額な費用がかかることになるのです。
激安クリニックでは、治療後のアフターケアやサポート体制が不十分なことがあります。
インプラント治療は、埋入して終わりではありません。定期的なメンテナンスや、問題が生じた際の迅速な対応が長期的な成功には欠かせません。
「治療費は安かったけど、その後の対応がなく困っている」という患者さんの声をよく耳にします。
あなたは、何か問題が起きた時に責任を持って対応してくれる歯科医院を選びたいと思いませんか?
では、インプラント治療を検討する際、何を基準に歯科医院を選べばよいのでしょうか?
費用だけでなく、以下のポイントを重視することをお勧めします。
インプラント治療は高度な専門性が求められる治療です。
日本口腔インプラント学会の専門医・指導医の資格を持つ歯科医師や、インプラント治療の症例数が豊富な歯科医師を選ぶことが重要です。
私自身、日本口腔インプラント学会専門医として、数多くの症例を手がけてきました。経験豊富な医師は、難しいケースでも適切に対応できる技術と知識を持っています。
「この医師なら安心して任せられる」と思える歯科医師を選びましょう。
インプラントの品質は、治療の長期的な成功に直結します。
世界的に実績のある主要メーカー(ストローマン、ノーベルバイオケア、アストラテック、ジンマーなど)のインプラントは、長期的な臨床データがあり、安全性と耐久性が実証されています。
当院では、主にジンマー社のインプラントを使用しています。長年の実績と高い信頼性があり、患者さんに安心して治療を受けていただけるからです。
使用するインプラントについて、歯科医師に質問することをためらわないでください。信頼できる歯科医師は、使用する材料について詳しく説明してくれるはずです。
成功するインプラント治療の鍵は、精密な診断と適切な治療計画にあります。
CTスキャンによる3次元的な骨の評価、血液検査による全身状態の確認、口腔内の詳細な検査など、多角的な診断を行うことが重要です。
当院では、60分の無料カウンセリングと精密な診査診断を実施し、患者さん一人ひとりに最適な治療プランを提案しています。
「診断は治療の9割」と言われるほど、この段階が重要なのです。
インプラント治療後のアフターケアと保証体制も重要なポイントです。
定期的なメンテナンスプログラムがあるか、問題が生じた際の対応体制はどうなっているか、保証期間はどれくらいかなど、治療前に確認しておくことをお勧めします。
当院では、治療後も長期的なサポートを提供し、患者さんの口腔健康を守るためのアフターケアを重視しています。
コスト面で難しい方には、分院である「OCEAN DENTAL OFFICE MINATOMIRAI」で保険の範囲内でのアフターケアも可能です。
インプラント治療の質を落とさずに、費用を少しでも抑える方法はあるのでしょうか?
ここでは、賢く費用を抑えるためのアドバイスをご紹介します。
インプラント治療は自費診療ですが、医療費控除の対象となります。
年間の医療費が10万円を超えた場合、確定申告をすることで税金の一部が還付されます。
例えば、年収500万円の方が50万円のインプラント治療を受けた場合、約7万円の税金が還付される可能性があります。
これは見逃せない節約ポイントです。領収書は必ず保管しておきましょう。
一度に高額な費用を支払うのが難しい場合は、デンタルローンの利用を検討してみてください。
多くの歯科医院では、分割払いやデンタルローンの案内をしています。月々の負担を抑えながら、質の高い治療を受けることが可能です。
当院でも、患者さんの経済的負担を軽減するためのお支払いプランをご用意しています。
複数本のインプラント治療が必要な場合、すべてを一度に行うのではなく、優先順位をつけて段階的に進めることも一つの方法です。
例えば、まず咀嚼に重要な奥歯のインプラントから始め、その後前歯のインプラントを行うといった計画を立てることで、一度の経済的負担を軽減できます。
ただし、この場合も全体的な治療計画をしっかり立てた上で進めることが重要です。
インプラント治療を検討する際は、複数の歯科医院でセカンドオピニオンを受けることをお勧めします。
治療計画や費用は歯科医院によって異なることがあります。単に価格だけでなく、治療内容や医師の専門性、使用する材料なども含めて総合的に判断しましょう。
当院では無料のセカンドオピニオンを実施しています。他院での治療内容や費用に不安がある方は、ぜひご相談ください。
インプラント治療は確かに高額です。しかし、それは単なる「出費」ではなく、あなたの健康と生活の質への「投資」と考えるべきではないでしょうか。
安さだけを追求すると、結果的に再治療のコストや、健康被害というさらに大きな代償を払うことになりかねません。
インプラント治療を選ぶ際は、以下のポイントを重視してください:
そして、医療費控除やデンタルローンなどを活用して、賢く費用を抑える工夫をしましょう。
私たちシャングリラデンタル横浜歯科矯正歯科では、患者さん一人ひとりに最適な治療を提供するため、丁寧なカウンセリングと精密な診査診断を行っています。
インプラント治療についてお悩みの方は、まずは無料カウンセリングにお越しください。あなたのお口の健康と笑顔を取り戻すお手伝いをさせていただきます。
詳しい情報や無料カウンセリングのご予約は、シャングリラデンタル横浜歯科矯正歯科の公式サイトをご覧ください。
Two-dimensional real-time blood flow and temperature of soft tissue around maxillary anterior implants. Nakamoto T, Kanao M, Kondo Y, Kajiwara N, Masaki C, Takahashi T, Hosokawa R.Implant Dent. 2012 Dec;21(6):522-7.